32. 運命(ゴラル)は上層からの目覚めという神秘
1943年2月10日、私が聞いたテルーマーについての第4講話
運命(ゴラル)とは、下層の者が何もしなくても起こる上層からの目覚めを意味します。これは「くじ(ポール)を引いた」という秘儀であり、ハマンは「彼ら(ユダヤ人)は王の法を守っていない」と非難しました。
これは、クリエーターへの務めが、リシュマではなく、自己のための受け取りの状態という奴隷状態から始まることを意味します。では、なぜトーラーが与えられたのでしょうか。それは、後にリシュマという報いを受け、上層の光と知恵を授かるためです。
すると、告発者(サタン)が現れ、「なぜ、彼らにこれらの崇高なものが与えられたのか。彼らはそのための努力もしていないし、それを望んでもいない。彼らが考えていることも目標とすることも、すべてがロー・リシュマと呼ばれる自己の必要に関する事柄ではないか」と問いかけます。これが「悪しき者が準備をして、正しき者がそれを纏う」という秘儀になります。
これは、人はもともと邪悪なところ、すなわちロー・リシュマの状態で受け取る者として働き、後にリシュマに報われ、行うことすべてがケドゥーシャ(聖性)の領域に至ることを意味しています。あらゆることを授与のために行う境地に入るということです。これが「正しき者がそれを纏う」の意味になります。
これが、プリムはヨム・キプール(贖罪の日)のような日であるという秘儀です。プリムは上層からの目覚めであり、悔い改めによるヨム・キプールは下層からの目覚めです。しかし、ヨム・キプールにも上層からの目覚めの要素があります。それが「くじ(ゴラル)」であり、それには「主のためのくじ(ゴラル)」と「アザゼルのためのくじ(ゴラル)」があり、それはクリエーター(創造主)によって選別されています。