よい環境を選ぶということ
「一般的な考察によると、社会で守るべき戒律は2つしかない。それは、1)「受け取り」と2)「授与」である。つまり、各自はその本質によって必要なものを社会から受け取り、自らの働きによって、社会の幸福に貢献しなければならない。この2つの戒律のうちの一つでも破るなら、その者は情け容赦なく罰せられる。」
バール・ハスラムによる記事「平和」より
カバリストたちは、スピリチュアルな成長のための取扱説明書のようなものを著しています。それは、まだ獲得していない概念が難解な言語で書かれていることもあれば、とてもわかりやすく思える時もあります。
クリエーターへの類似やその性質に等しくなるという、形態の同等性の法則という概念があり、これを一言で表すと授与になります。そして、被造物はその対極の受け取りの性質にいます。私たちは性質が同等であると近くなり、性質が反対になると遠くなります。
このトピックに関するあるレッスンで次のような質問がでました。「クリエーターの性質との距離を縮めるのに役立つのは環境ですか?」
この答えは、まさしく上述したバール・ハスラムの言葉(抜粋)に見られますが、まだ知られていない、理解されていないことで罰せられるというのは、どういう意味なのでしょうか? 心の点、すなわちクリエーターの性質に類似したい(授与への到達)という欲求が目覚めると、自分が受け取りの意志であることがわかるようになります。そして、そこに至るプロセスが始まります。なぜなら、自分が完全に受け取りの意志であると気づくことは、授与を望む別の性質の存在に気づくことになるからです。これが、「暗闇の中の光の優位性」です。
ところで、授与というものを学ぶにはどうしたらよいのでしょうか?
ラバシュはこう書いています。「人は自分の中にスピリチュアルティへの欲求をもっていて、それは自分自身から起きてきます。つまり、たとえ人がひとりきりでいて、周りに影響を与えたり欲求を吸収させたりしてくれる人が誰もいなくても、目覚めを受け、クリエーターの僕(しもべ)になることを切望します。しかし、その欲求は、スピリチュアルな目的を維持するよう働くには、強化する必要がないほど大きくありません。そのため、物質世界と同じように、外部の人々を通して欲求を高めていく方法があり、彼らが持つ意図や精神に従うよう、その人々に強いもらうのです。」
そして、学習グループとしてよい環境を選ぶことの重要性について、正確にこう続けます。「これは、スピリチュアリティへの必要性をもっていると思える人々と結びつくことによってなされます。外部の人々が持つ欲求が自分の中に欲求を生み出し、それによってスピリチュアリティへの大きな欲求を受け取っていきます。つまり、自分の中からくる欲求に加えて、彼らによって生み出されるスピリチュアリティへの欲求を受け取るということです。そうして、最終目的へ到達するための大きな欲求を獲得します。
ここから、授与の性質への欲求を高める方法とは環境を通じてであり、他者からクリエーターを発見するための欲求を獲得し、拡大させていけることがわかります。最初の小さな欲求から、クリエーターを発見するためのより高いレベル、ひとりでは到達できないレベルまで、欲求をふくらませていけるのです。
私たちには、この道を始めるに十分な欲求がありますが、最終目的へ到達するためには、欲求を高める必要があります。その欲求が、この道を歩み続けるための燃料タンクを満たしてくれるからです。これを他者と共に行います。皆が自分を探し、自分が皆を探して、皆の欲求をつなげれば、それぞれがまたとないパズルのピースとなり、最終目的へと向かって進むための大きな欲求が生まれていきます。